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日本語学校の留学生のカンニング事情と対策

太陽の塔の裏


こんにちは。

7年ぐらい日本語教師をしている嘉成晴香(かなりはるか)です。

日本語学校では、ことばテスト(日本語の単語テスト)や復習テストなど、日本にある普通の学校のようにテストがあります。

私達日本語教師は、テストの時は試験監督をするわけですが、みなさん「試験監督」というと楽そうな気がしません?

そうです。

私も今までいくつか日本で試験を受けたことがありますが、試験監督は時々歩き回ったりするものの、基本的には「暇そう」でした。

けれど、日本語学校ではそうはいきません!

(私の勤務校だけではないはず)

これが、最近ほんとにストレスでストレスで……おまけに学生さん、悪気がないんです。

もう一度言います。

はるか

悪気が全くないんです!

今日は、日本語学校の学生のカンニング事情についてお話します。

(私が勤務している日本語学校の学生は、中国人、ベトナム人、ミャンマー人です)

 

◇日本語学校の留学生のカンニング事情と対策

目次

日本ではありえない!「見せる」のが友情!?
試験中は日本語教師業で一番不毛な戦いである
日本語学校側もがんばります!カンニングする学生対策
カンニングが成功すると(ある意味失敗?)こうなる

日本ではありえない!「見せる」のが友情

日本でも、カンニングする人はいます。

でも、カンニング「させる」人はあまりいないんじゃないでしょうか。

要は、「見る」んじゃなく「見せる」んです。

優秀な学生が、日本語ができない友達に見せるのです。

試験の用紙がやたら机の端に置いてあったりしたら、注意が必要です。

うちの学校では、特にベトナム人が多いです。

でも、中国人もします。

彼らにとって「見せる」のは「助け合い」で「友情の形」なようです。

はるか

困ったもんです

 

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試験中は日本語教師業で一番不毛な戦いである

タイトルの理由を、カンニングと直接関係ないものもありますが8つ挙げてみます。

はるか

多くてすみません。あ、いや、私が謝ることでは決してないな。

 

①シャーペン・消しゴムを忘れてくる

日本の試験は、ボールペンは不可です。

そして、まちがえたら消しゴムできれいに消して書き直さなければなりません。

他の国だと「試験時はボールペン」が主流らしく、何度言っても忘れてくる。

そして、まちがえたらペンでグリグリと塗りつぶし、紙がぐちゃぐちゃになってることも。

 

②試験中、堂々と消しゴムを借りる

かろうじてシャーペンは持ってきても、消しゴムを忘れる人は多数。

「消しゴムないの?」と聞くと、シャーペンのお尻の小さい消しゴムを指さす。

そして、まだ試験前に言ってくれれば事務所で貸してもらえたりするのに、言わない。

結果、試験中に友達に借りることに。

 

その借りる方法もね、最初びっくりした。

日本じゃ、すごく仲が良くてもそうでなくても、一声「消しゴム貸して」と言って借りるでしょ!?

ちがうんです。

腕を隣の人の机にグイーーーーーって伸ばして、サッと使う。

何も言わない。取られた方も、何も言わない。

日本人だったら、「何こいつ」って思われますよね……。

双方全然気にしてないんですが、もし日本の大学とか行って、日本人の友達にそれやっちゃうとまずいので、注意します。

はるか

ってか、消しゴム持ってこないとかどんだけ自信あるんだ

 

③リスニング中、平気で話す・答えを躊躇なく口に出したり合図を出したり

音を遮られたらアウトなリスニングテスト。

わりと平気で話します。

本人は小さい声で話しているつもりなんですが、声の大小は関係ない。

そして、答えを「1!」とか「2!」とか口に出す。

ほんとやめてほしい。

まだ日本語なら注意しやすいんですが、母国語で話されると、答え言ってるのかいないのかこっちにはわからない。

(中国語の数字は、なんとか覚えましたので、数字が聞こえたら注意することにしています。

また、指で机をトントンたたいて、それであらかじめ作った答えの合図を発信していることも。

(優秀な学生が得意げな顔をしてやっている)

 

④こっちを注意すると、あっちでカンニングする

どうせするならもっとうまくやれないものかと思ってしまうほど、うちの学生はカンニングが下手。

ということで注意するわけですが、そうすると視界の端がザワザワ……

そう、ちがうところにいる学生が、カンニングをしだす。

もうやだ。

はるか

もぐらたたきみたい

 

⑤「質問!」と言って教師を呼び寄せ、その隙に他の人をカンニングさせる

悪質なのが、これ。

決まってお調子者タイプの学生がこの役割りを買って出る。

でもね、私もそんなに頭悪くないので、その学生の視線なんかを見ていたらわかります。

 

⑥なぜか横を向いて座りながら試験を受ける

もう、最初からカンニングする気満々な学生。

 

⑦机をカンニングペーパーにしている

試験前、ちょっと早く教室へ行くと、よく目にするのがこれ。

ことばテストの時が多いです。

見つけ次第、注意して担任の先生に報告。場合によっては反省文。

 

⑧試験回収している時に友達の答えを見て書き直す

これがもう、ほんと多くて困る。

試験終了後、「シャーペン置いて!消しゴム置いて!」と言っても、どさくさにまぎれて書き直す。

はるか

もうやだ。

 

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日本語学校側もがんばります!カンニングする学生対策

学校側も、一応カンニング対策してます。

①試験前によーーーーーく注意する

まずは、「どうしてテストをするのか」という意味を話します。

それから、以下のようなことを2回ずつは言う。

  • 見ない
  • 見せない
  • 話さない
  • 聞かない
  • 答えない
  • 笑わない

 

②机と机の間をできるだけ離す

教室は決して広いわけじゃないので限りがあるのですが、一人一人の机の前後左右を空けます。

はるか

ラジオ体操する時みたいに

学生は、この時が一番嫌そうな顔をして、言っても1センチくらいしか空けなかったり。

というわけで、ほとんど全部の机を一つ一つ私が空けていく。辛い。

 

③列ごとにテストを変えたり、ちがうレベルの学生といっしょに受けさせる

これは、私の勤務校ではしていませんが、友人の学校では採用しているそうです。

2種類の試験を作って列ごとに変えたり、「初級」「中級」「上級」といったレベルの学生をごちゃまぜに一つの教室に入れ、それぞれテストする、ということ。

要は、隣のテストが自分とちがったらカンニングしにくい!

ただ、これは教師が大変。

まず、同じレベルでも2種類試験を作るとか、毎回は無理!それに、クラスやレベルによって試験日がちがったりすると、後者の方法はとりにくい。

ここまでせなならんの……って感じですよねー。

 

④「カンニングしません」という誓約書に署名させる

今のところ、これが一番効いてます。

「カンニングしないと0点」という誓約書です。

これを書かせた次のテスト、驚くほど静かでびっくり!!!!(テスト中です)

あ、でも、してましたよ。でも、ましになった。

見つけたら、私はニッコリ笑って躊躇なく出席簿に「0」と書いておきます。

 

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カンニングに成功すると(ある意味失敗?)こうなる

時々、ありえないことが置きます。

日本に来たばかりで、まだひらがなとカタカナがやっと書けるようになったレベルの学生が、日本語能力試験でN3(3級、みたいなもの)合格してきたりするんですよ。

本人いわく、「隣が韓国人でした」とのこと。

はるか

留学生の中では、韓国人はまじめで優秀というイメージがあるらしく、試験の時に韓国人が隣だと「なんて私はラッキーなんだ!」と思うそうです。

 

◇おわりに

他の試験でもそうでしょうが、語学の試験はカンニングしても何も意味がありません。

いざ話さなければならない時にしゃべれないのに、試験だけは合格していたりすると「カンニングしたんだな」といいかげんな人に見られてしまうからです。

学生は、お金の話が好きです。「何かほしいものある?」と授業の会話で聞くと、決まって「お金」。

日本に限ったことでなく、大学なんかでカンニングしたら単位が全部なくなって、半年の多額な学費がパーになること、わかんないのかな。

日本の大学を目指しているのなら、もっと危機感もたないとダメなんですけど……言っても笑ってる。

それに、日本人って、自分の答え見られるの、嫌ですよね!?

(最近わかんなくなってきた)

もし日本人の友達のを見たり、カンニングしてるところを見られたら、信頼失くしかねません……。

 

そして一番気になるのは、テストを返した時、高得点だと喜んでるんです。

それ、カンニングしてたじゃない( `ー´)ノ

試験で大切なのは、「自分が何がわからないか」わかるようにするためで、特に小さいテストは大事にしていかなければなりません。

なのに、不正行為をしたことは忘れてる。

何回も何回も説明をするんですが、友情にはかなわないものなんかなぁ……。

写真は、大阪の万博記念公園の太陽の塔。裏です。

私の試験監督姿!?(笑)

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