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宣教師さんへの日本語教育!オンラインレッスン!教会用語の例文作成が難しい

こんにちは。

日本語教師の嘉成晴香です。

実は、宣教師さんにプライベートで個人レッスンをしていました。

⇒ 宣教師さんに日本語のプライベートレッスン始めました

エジプトに協力隊として行くことになったのでストップしていたんですが、この度再開しました!

コロナ禍ということもあり、今回は対面ではなくオンラインレッスン。

今日はその中でも難しい「教会用語」について思ったことを書いてみようと思います。

宣教師さんを始め、キリスト教会関連の方に日本語を教えることはなかなかないかもしれませんが、

私のようにチャンスが来た先生のために備忘録として書いておきます。

外国人「クリスチャン」が必要な日本語力とその内容

既出の記事でも書きましたが、クリスチャンが教会生活(教会を中心とした生活、具体的には日曜礼拝に出席、など)をするためには、様々な日本語力が必要です。

  • 日常会話能力(他のクリスチャンの方と話すため)
  • 教会の専門用語(聖書に出てくる、日本人でも聞きなれないような言葉)
  • 教会特有の日本語の読み方(「御言葉」を「みことば」と読んだり)
  • 教会特有の日本語の言い回し(宗派や教会によってけっこうちがうらしい)
  • 証し(自分の信仰における体験を話すこと)を人前で話す日本語力
  • お祈りをする際の敬語(神様には基本、敬語を使うので)

とまぁ、牧師でなくともこれらがあるといい感じ。

はるか

私、クリスチャンで日本人だけどあやしいですけど

つまり、一般的な日本語教育の教科書や日本語学校では、なかなか身につかない日本語が必要になってくるわけです。

ということで、独学しなければなりませんが、そのための教科書ってのも、見つかりません。

一つ一つ辞書やネットで調べて、それが正しいか吟味してみる必要があります。

 

上記に加え、宣教師さんや牧師だと、

  • 聖書の言葉を日本語で説く(礼拝でのメッセージなど)
  • 教会の人々の悩み・相談を聞く
  • 教会の人々を励ます
  • 地域の方々と触れ合う
  • 日本語の賛美歌(ワーシップソング)を歌う
  • 会報などを作成する

なども重要になってくると思います。

「(キリスト)教会用語」を日本語として教えることの難しさ(例文作成がなかなか難しい)

結論から申し上げますと……

聖書に出会って23年の私ですが、それでも「日本語教育」として「教会用語」を教えるのは、かなり大変です。

正直なところ、荷が重い厳しいです。

なぜなら、「愛」という言葉一つとっても、「愛って、LOVEのことでしょー」と軽々しく言いにくいのです。

いや、LOVEはLOVEなんですけどね。

聖書において「言葉」は、その一つ一つが神様が造られたものとしてとらえているので、かんたんそうな(英語で訳しやすそうな・日本語で説明しやすそうな)言葉でも、実は深い意味があったりします。

パスラさん

もちろん、まずは一般的に使われている意味を教えます。

でも、クリスチャンとしての意味合いをニュアンス的にだけでも伝えるべきだと、私は確信しています。

はるか

変な例えですが、一つの漢字にいくつも読み方がありますよね。それを伝える感じ。

なので、何が難しいって、語彙の例文です。

「聖書から引用したらいいんちゃうの?」

と思われるでしょうが、そうもいきません。

ネイティブ並みの日本語力があるなら問題ないのですが、

「神は愛なり」

とか、

「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された」

とか、

日本人でも初めて聞いたなら「なり?」「ひとりご?」「ほどに?」「よ?」ってなります。

つまり、語彙はもちろん、日本語の文法もかなり難しいのです。

おまけに敬語表現が満載なので混乱もしやすい。

外国人のクリスチャンに日本語レッスン!教会用語を使った例文を作成するのが難しい理由

ということで、まとめてみます。

教会用語を用いた例文作成!聖書から引用しにくい(文法が難しすぎる)

まず、さっきも書きました、これ。

例文は、聖書から引用できればまちがいないのですが、文法が日本語能力試験のN1にもないような文法も多く、

また聖書独特の言い回しもあるため、日本人でも一度読んだだけではのみこめないものも。

なので、やわらかくわかりやすい表現に変える必要があります。

でも、聖書の言葉をみだりに変えるわけにもいかないので、クリスチャンの日常会話として使ってそうな「話し言葉」を例文として作成することが多いです。

教会用語を用いた例文作成!敬語表現を避けるのが難しい!

日本語学習者で難しいのが、やはり敬語表現。

聖書やお祈りでは、ものすごく多いです。

それもそのはず。一番高いところに神様がいるので、クリスチャンにとっては神様に敬語を使うのは普通のことなのです。

けれど、それが「日本語でのお祈り」の高い壁になってるんですよね。

必ず敬語を使わなければならないというわけではないと思うんですが、他の人のお祈りを聞いた時にチンプンカンプンなのも寂しいですし、やっぱり敬語はわかっておくにこしたことありません。

パスラさん

と言っても、日本語初心者には困難なので、こちらもできるだけ避けた例文を作っています。

「敬語をしっかり勉強してから教会用語を勉強すればいいじゃない」

と言われそうですが、敬語って幅広くて、全てをマスターしてからだと何年も経ってしまいます。

ある程度敬語も覚えつつ、教会用語も学び、教会で慣れていく、ってのがいいかなと私は感じています。

さて、「敬語表現を避けた例文」ですが、ここで役に立つのが、子どものクリスチャンのお祈りや言葉。

ポイントは、「フレンドリーだけど、シンプルで丁寧!」

お祈りの結びの言葉「主、イエス・キリストの御名によってお祈りいたします」なんかは、

「イエス様のお名前でお祈りします」

だったり。

賛否、あると思います。

でも、言葉には力があるので、「フレーズでまるまる覚えたらいい!」なんて乱暴なことはとても言えません。

一つ一つの言葉をかみしめながら、自分の使える言葉を駆使できたら、それでいいんじゃないかと。

教会用語を用いた例文作成!作成しても本当にこれでいいのか疑問が残る

目下の悩みは、これ。

クリスチャンの私でも悩むので、教会に行ったことがない日本語の先生だと、疑問にも思わない可能性もあります。

私はネット上の様々な教会のブログを読みあさり、この表現でいいか考えたり、礼拝のメッセージで聞いた「話し言葉」を用いさせてもらったりしてなんとかやり始めていますが、これからもこの調子で大丈夫かな。

あまりにあやしい・自信がない例文は、牧師さんに相談してみようかな、とかも考えています。

「翻訳(英訳、とか)できればそれでいいんじゃないの? 英語の聖書と照らし合わせたらいいのに」

と思われるかもですが、それだと次につながらないんです。

聖書の言葉を理解するためなら、それでいいと思いますが、それならそもそも日本語で聖書読む意味がありません。

聖書には、似たような言い回しや文法も出てきますが、英訳だとちがったりもするので、「日本語の勉強」にはなりにくいのです。

生徒さんの日本語レベルを考え、どうしてもキリスト教的な例文が作れない時は、一般的な意味で紹介し、あとはその語彙が出てくる聖書の箇所を紹介して雰囲気をつかんでもらうのがいいかなと思っています。

教会用語を用いた例文作成!語彙数・難しい漢字が多すぎる

ちなみに、教会用語は「教会用語」とか「クリスチャン 用語」とかで検索すると、一覧がいくつも見つかります。

これらは教派にもよるので注意が必要。

英語も書いてくれてる一覧表もあります。

はるか

私の生徒さんはイギリスの方なので英語ができていいのですが、これからは英語が苦手な外国のクリスチャンの生徒さんも増えるかもですし、そうなるとまた難易度が上がるなぁ……。

とにかく、用語数、そして難しい漢字が多いんですよ。

  • 咎(とが)
  • 贖い(あがない)
  • 箴言(しんげん)
  • 憐み(あわれみ)

などなど、日本人でも「ん?」って漢字があふれています……。

 

ということで、教会用語を教えるのは、ものすごーく難しいです。

でも、「難しい難しい」言っていても何も始まらないので、私はこれをチャンスととらえています。

オンラインレッスン1時間のために、何時間も準備しますが、その時間がとってもありがたく、考えさせられるものとなっています。

聖書について、信仰について、向き合う貴重な時間です。

また「知らなかった」ってことも。

ほんとは私が神学校を出ているとか、牧師だったりしたら一番なんですが、ご縁あって日本語を教える立場にあるので、ここは逃げずにチャンレンジしていきたいな、と。

もちろん、日本語教師としてもマイナーとところかもしれませんが、レベルが上がってる気がします。

難しい言葉を生徒さんがわかる日本語で言い換えることはこれまでもやってきましたが、日常会話が多かったので、新たな挑戦になっています。

 

さーて、これからもがんばるぞ!

 

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