こんにちは。
よく、「〇〇に感動!」というの、ありますよね。
そういうの、私も大好きです。
でも今日は紹介する漫画は、こうお伝えするには言葉がどうも違う気がして……
「感動」って、私の中では受け取ったものへの心の動きが大きい気がするんです。
でも、この作品は「感動」よりは「共感」、「共感」よりも自分の人生を自分の中で製本するような、そんな感覚になりました。
さて、それではどんな漫画か。
『すてきな毎日-聖書の知恵書「箴言」を生きる』長谷部愛美先生著
あとがきによると、この漫画は「百万人の福音」という月刊誌に連載されていたもののようです。
(ちなみに、プロテスタントのキリスト教雑誌)
タイトルからして「THE クリスチャンのための漫画!」みたいな雰囲気ですが、ただ一人のクリスチャンの女性の物語です。
キリスト教と言っても、その実態?について知っている人は日本では特に意外と少ないものです。
- 神父と牧師ってちがうの?
- シスターなら映画で見たことあるけど、そんな感じ?
- なんかかたそう
- お金、かかりそう
- キリスト教の人って、日曜日に教会に行かなきゃならないんでしょ?
- キリスト教の人って、いったいどんな生活をしてるの?
- 「祈る」とか聞くけど、神社やお寺に行くのと同じ感じ?
- そもそも、「信仰」って何?
と、クリスチャン歴おおよそ22年の私にも、よくこんなご質問なんかをいただきます。
この漫画は、上記の質問には、ダイレクトには答えていません(笑)
ダイレクトには、ね。
ただただ、パッと見どこにでもいそうな女性(書店員)の日常を、彼女の「みことばノート」を通してたどる、のみ。
(「みことばノート」とは、かんたんに言うと、聖書の言葉を書き写したノートのこと)
そして、教会はちらっと出てくるんですが、「礼拝」とかは出てこない。
ただ、聖書にある章の一つである「箴言」の言葉が、主人公の女性の生活にどう影響を与えていくかを、静かに、静かに、つもる雪のようにさりげなく描いています。
『すてきな毎日-聖書の知恵書「箴言」を生きる』 の主人公「森野さん」について
さて、魅力的な、というより「いるいる、こんな人」といった登場人物が多く出てくるこの漫画。
でもやっぱり1番は、主人公の森野さんが私は大好き。
ということで、森野さんについて、ちょっとネタバレしようと思います。(プロフィール程度ですが)
次の章に飛ばしてくださっても、大丈夫ですよー。
主人公:森野さんのプロフィール
それでは、主人公のご紹介を。
名前:森野すみれ
職業:あかり町の書店「本のミズサワ」の書店員
年齢:はっきりわかりませんが、20代かと
性格:おっとりしているけれど、おっちょこちょいなところも。そして、断れない。
過去:美大出身。フランスへ留学経験あり。辛い体験あり
キリスト教との関り:両親はノンクリスチャン(仏教?)。現在は一人暮らし。
家族:父は他界している
日課:朝のデボーション(「日々聖書を読み、祈り、神と交わること」)
「箴言」の読み方は「しんげん」:旧約聖書にあります
普段の生活だと、なかなか目にしない言葉、「箴言」。
「しんげん」と読みます。
旧約聖書の中の章の一つで、「詩編」の章の後にあります。
wikipediaさんによると、
内容は教訓の集合で、様々な徳や不徳とその結果、日常における知恵や忠告等である。『箴言』中の格言の多くはソロモン王によって作られたとされている。
とのこと。
「格言」が多く……というより全てがそうで、力強い章なので、苦手とするクリスチャンも多いとか聞いたのですが、私は大好きな章です。
『すてきな毎日』のすばらしいところと特徴
いろいろあるんですが、いい意味で「とても静か」なところがすばらしいです。
壮大なファンタジーでも、誰かが殺されるようなミステリーのようなハラハラさせられるものでもありません。
でも、誰にでもあるような「自分だけの内なる戦い」に勝利する話であるのは確かです。
はるか
10ページ読んで、5ページ戻りたくなるような感じなので、総ページ数よりも随分と長く感じ、お得感満載(笑)
あと、ちょっとびっくりしたのが、漫画だと「コマ」がありますよね。
そのコマ一つ一つの枠が、わりと太く黒い線なんですよ。
実を言うと、最初は違和感があったんです。太すぎじゃない?と。
でも、読み進めていくうちに気にならなくなりました。
なぜなら、そのコマの枠線の太さで、「読むスピードを調整してくれた」から。
一般的な漫画は、わりと細いですよね。
だからこそ、枠線を気にせずするする読める。読んでいける。
でも、枠が太いと、その「違和感」が無意識に読むスピードを遅くしてくれて、結果、ゆっくり読めるんです。
1コマ、1コマを、注目しながら読めるというか。
『すてきな毎日』の私が刺さった森野さんの言葉
森野さんが日々綴る「みことばノート」の箴言の箇所がすばらしいのはもちろんですが、そんなにおしゃべりでもない森野さんがポソッと話す言葉が、心に刺さります。
たくさんあるんですが、一つ。
私も同じように拾ってもらいながら立ち上がれたので
ふと、聖書でイエスキリストが弟子の足を洗う場面を思い出しました。
(師匠なのに、弟子の足を洗うんですよ)
毎日生きていると、思わぬことに巻き込まれたり、魔がさしたり、しなかったことを後悔したり、いろいろあります。
でも、その度に周囲に助けられ、支えられる。
人は、誰一人、一人では生まれてこれず、生きていけません。
食べるものも、着るものも、誰かが作ったもの。
このセリフは、ある女の子がまちがいを起こしてしまって、森野さんがそれを励ますシーン。
ここが、一番泣いてしまいました。
あー、これ以上書くとネタバレしすぎるー。
そして、こんな記事を書いたことも思い出しました。
日本ではマイノリティであるクリスチャンとしての生き方を知ってほしい
クリスチャンは、日本では人口の0.1%もいないと言われています。
なので、なかなか出会うこともないかもです。
でも、いないわけではなく、確実に私達は存在し、教会ごとにも、地域が発展するように、地域の方々が心身ともに豊かになるように祈っています。
私も、クリスチャンになる前(10歳)書がイエス様の伝記のようなものだと知りませんでした。
クリスチャンが教会で何をしているか、教会以外ではどんな風に暮らしているか、見当もつきませんでした。
なので、この本を通して、「へー、ふーん」という感じに知っていただければと思います。
ちなみに、クリスチャンと言ってもいろんな方がいるので、みんながみんな森野さんみたいでは良くも悪くもありません(笑)
クリスチャンでも、時には怒るし泣くし、罪に手を出してしまうことも少なくありません。
ただ言えることは、「宗教」は団体を指すイメージですが、「信仰」は「神様と自分の一対一の関係」です。
どれだけ聖書の言葉(みことば)に沿い、「誰か」ではなく「神様」が喜ばれることができるか。
これがクリスチャンの目指す生き方と言えると思います。
この漫画を通して、「こんな生き方もあるんやな」と感じていただければ嬉しいです。
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