こんにちは。
エジプトのルクソールで青年海外協力隊(短期派遣)として活動中の嘉成です。
私の職種は「日本語教育」。
つまり、外国人に日本語を教える日本語教師をしています。
ルクソール公立図書館で教えています。
今日は、エジプトでどんな風に日本語を教えているか、ほんの一部ですがご紹介します。
前回の記事はこちら:
まずは、「日本語教師」という仕事を全く知らない友人によくされる質問から。
外国人に日本語を教える!英語で?直接法って?
日本語教師をしていると、よく聞かれるのが、
「どうやって日本語教えるの?英語で?」
っての。
これ、日本語教師あるある!ってくらい、ほんと多いご質問。
でも、じゃあ、英語できない生徒さんだったらどうするか?
それはなかなか難しいですよね。
もちろん、日本語学習者の母語が話せれば1番なんですが、なかなか厳しい。
特に近年は、日本国内はベトナム人留学生が増え、私が教えている大阪の日本語学校も半分くらいはベトナム人。(もう半分は、中国人)
ベトナムは、ベトナム語。
私はベトナム語はできません。そして、彼らも英語ができない人が多く……
はるか
つまり、日本語で日本語を教える方法。
私も「日本語教師になりたい!」と思ってちょっと調べた時「??」ってなりました。
でも、やり方次第で日本語でも日本語を教えていけるんです。
もちろん、絵とか図とかいろいろ使うことも多いですけどね。特に初級の時は。
ということで、日本国内では「直接法」が主流だと聞いています。
エジプトで日本語教育!?オリジナルテキスト(初級)での直接法は厳しい
私の今いるエジプトは、アラビア語。
正確にはアラビア語のアンミーヤ(エジプト方言)です。
青年海外協力隊(短期派遣)は、長期派遣とちがって語学研修はなく、現地に来てからも長期隊員は1カ月くらい語学をするんですが、短期にはありません。
ってのを理由にするのは非常によくないんですが、私はアラビア語ができません。
挨拶とか、ちょっとした単語とかはわかるようになりましたが、それで日本語を教えるには全く足りません。
はるか
と思っていたんですが、そう言ってはいられなくなりました。
理由は以下の2つ。
- オリジナルテキストを作成したため、翻訳本がない
- 短期派遣のためもちろん日本語教室の時間が少ない
日本国内で主流だという「直接法」。
でも、それは有名テキストを使い、その翻訳本で予習してきてもらえるからできること、でもあります。
やっぱり、母語の翻訳があれば、何がいいって「時間がかからない」んです。
直接法、私は好きですが、もし母語で言えたら一発のことが、けっこう時間かかったりします。
ま、かんたんにわかったものはすぐに忘れやすいこともあるんじゃないかと私は思ってるので、あえてストーリー仕立てで回答に導くことも、私はたまにしますが。
でも、今回の「日本語教育」では私のオリジナルテキスト。
つまり、翻訳本はありません。(着任から活動開始までネット環境なしで1週間もなかった)
そして、3カ月コースということで時間が限られています。
ゆっくりゆっくり進める時間は……ありません。
全部「直接法」は無理!生徒さんに「英語ができる人が多い」からできる
ということで、最初から100%直接法は、無理!
ってことで、随所随所で英語も話しながらやってます。
私、英語も苦手なので、よく生徒さんに「〇〇ってこと?」と確認されます(笑)
うまく英語で言えないと、私の意をくみとって「〇〇ですか?」と聞いてくれます。
うまく英語が扱えないことや語彙力不足は私の至らなく恥ずべき点ですが、正直なところ、「日本語の授業」としては生徒さんが自ら直接法に参加してくれるというか、考える力を大いに発揮してくれ、日本語を伸ばす力になっています。
(ってことにしておきたいだけかもですが)
共通する言語が日本語しかないという状況ということで、知っている日本語でなんとか私と会話してくれようとする!
はるか
自分のことを棚に上げるのはよくないんですが、この短所には日本語教師を始めてから何度も助けられてます(笑)
やっぱり語学は「話せるようになる」ことじゃなく、「話したいことを表現する」ですよね。
はるか
とか言って、このままずっと日本語教師やってくつもりなんで、いいかげん英語ぐらいはがんばります。
さて、ということで「直接法」に英語を混ぜながら教えているわけですが、生徒さんのみんながみんな英語ができるわけではありません。
私の日本語講座に来てくれている人は、「英語ガイド」さんが数人いて、なので英語を話しても難なく理解してくれるんですが、中には英語が苦手な方も。
もちろん、英語ができる生徒さんがアラビア語に訳してその生徒さんに伝えてくれたりはするんですが。
誰にでもわかる授業じゃないと、やっぱり意味がない、と私は思っているので、「語彙導入」以外はできるだけ直接法にしています。
確認として、最後に英語を言うこともありますが。
なんにしろ、英語がわかる方がいてくれたからこそ。
エジプトで日本語教育!徐々に「直接法」にしていく
「直接法」は、教えた語彙や文法や身振り手振りで、新しい語彙や文法を教えていく方法。
つまり、学習時間が増えるにしたがって、教師は「話せる日本語が増える」んです。
学習者がこれまでの学習をきちんと理解していれば、新しい表現も理解しやすいってわけです。
なので、理論的にはどんどん「直接法」にしていける、はず。
2カ月ほど経ち、やっと授業内の「直接法」も増えてきました。
うっかりすると、教えた表現や語彙を英語で言っちゃったりして後悔することも(笑)
はるか
私が日本語を話すと、「聞こう」としてくれるのがとっても嬉しい。
私も、生徒さんが話す日本語は一語たりとも聞き逃さないように、板書していてもできるだけ背中を耳にするようにしています。
最初はほんとに、「こんにちは」だけだった方が、1カ月過ぎた頃から文をつなげて長く話せるようになったり、少し複雑な文章を言えるようになったりして、もう、ほんとに感激です。
授業は週に2回なので、もちろん彼らの予習・復習・練習によるもの。
それでも、国内ではチームティーチングでしたが今は生徒さんの先生が私だけという状況なので、勝手に感激しています。
彼らの意欲と熱意を受け止められる立場にいられることに。
私は5カ月しかエジプトにいないんですが、帰国まで、できるだけのことがこれからもできるといいなぁ。
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