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死ぬ前に誰に何を言い残すか考えてみる

リボン 女の子 イラスト 箱

こんにちは。

児童文学作家の嘉成晴香です。

私は現在32歳なんですが、私の祖父母はまだ3人とも、いろいろあってもまだ元気です。

何が言いたいかというと、私が血のつながった人でなくした人は、今のところ祖父一人ということなんです。

祖父は、一昨年の12月に亡くなりました。

92歳でした。

 

13歳の時からずっと死を意識してきたけれど

親戚という意味で近しい人をなくしたのは、一昨年が初めて。

けれど、13歳の時にとっても大事にしていた大好きな友達をなくしたことがあり、それ以来ずっと「死」を意識してきました。

事故でなくしたので、「もうすぐいなくなる」なんてこと事前にわかることなんてなく、もちろん死に目にもあえませんでした。

もう、突然すぎて、びっくりしすぎて、冗談と何度も思い込もうとしたりと、さまよいましたが、当時はだれにも言えず、なんとか乗り越えました。

結論というか、おとしどころは、これ。

「人間なんて、明日の命も自分でどうにもできない」

明日があると疑わないなんて、おこがましいことだったんだって。

 

最期に病院での別れ際に言われた「頼んどくで」

13歳のその友人とはちがって、祖父の場合はお医者さんから「もう長くない」と聞いていました。

なので、病院にお見舞いに行く度に

「これが最後かな」

と思いながら過ごしました。

祖父もきっと、わかっていたように思います。

長くないとかじゃなく、お見舞いに来る人来る人、それが最期になるかもしれないということ。

本当に「最期」になった日、祖父は言いました。

いつものように、私の手をしっかり握りながら。

「頼んどくで」

とても「長くない」人とは思えないような握力。

でも、ちょっと声は震えていました。

私はその時、2歳の息子を抱きかかえていました。

あぁ、そういうことか。

何がどうそうなのかうまく言葉には表しにくいですが、いろんなものを託されました。

祖父の手から、おそらく祖父も受け継いできた名前のない想いを受け取りました。

それから、ずっと私の中には祖父の「頼んどくで」が響いています。

私はべつにおじいちゃん子でも何でもない

なんかこんなことを書くと、私はものすごいおじいちゃん子みたいな感じですが、そんなことはありません。

いや、決して嫌いとかそういうことでもありません。

でも、どちらかというと、怖かったかもしれない。

だから、私はできるだけ祖父の前ではご機嫌に過ごしてきたかも。

母や叔母にとってはなかなか難しい父親ではあったようですが、孫の私達にはひょうきんな人だったかな。

年に数度だけ会う人。

帰りに必ず「体に気を付けてな」と言ってくれる人。

あれ、これだけ書くとかなりやさしい人だな(笑)

「かなり」だけに(笑)

そう、私の「嘉成」は、祖父の姓なのです。

そして、このブログのマークの四角い顔の女の子も、祖父にまつわることからできました。

 

リボン 女の子

祖父の顔は四角くて、小さい時祖父の顔を描いて見せたら、

「じっちゃんの顔はもっと四角い!」

と言われたんです。

真四角に描いても、「もっと四角だ!」と。

私は「四角」の定義をもう一度母に問い直すことになりました。

 

……というエピソードからきています(笑)

 

そして私にとって、祖父と言えば10年日記でした。

亡くなった後も、母はそれを大事にしています。

私が作家デビューした時のこととかも、私の前では反応がうすかったのに、ちゃんと書いてくれてました。

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死ぬとわかっていたら誰に何を言い残すか

もし、病気なんかで「余命〇年/か月」と宣告されたら。

私なら何を言いたいか考えました。

やっぱり感謝かなぁ。

「ありがとう」って家族に。

家族だからって、私が死ぬとき傍にいないかもしれませんが、書き残せるなら残したい。

それから、私も「頼んどくで」って言いたいな。

これを言えるような人になっていたい。

何を頼むか。

……

うーん、やっぱり言葉にできない。

わかるかな、この感じ。

なんかさ、「頼んどく」って、その人を認めてなければ言えない言葉のような気がする。

じゃ、じっちゃんは最期に私を認めてくれたってことだったのかな。

じっちゃんなりの、私への愛情表現だったのかな。

もしそうなら、うれしいな。

 

なぜ今、祖父がなくなって随分たつのに思い出したのか。

初夏のしめった空気が、麦わら帽子をよくかぶっていたじっちゃんを思い出させたのかもしれません。

今年も、熱い夏にしよう。

 

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