新刊『涙の音、聞こえたんですが』(ポプラ社さん)発売中!!

新刊『人魚の夏』(あかね書房)を出版します!

人魚の夏

こんにちは。

児童文学作家の嘉成晴香(かなりはるか)です。

この度、2年ぶりに新刊を出してもらうことになりました!

『人魚の夏』というタイトルで、あかね書房さんから出版してもらいます。

挿絵は、イラストレーターのまめふくさんです!

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『人魚の夏』のあらすじと書き始めたきっかけ

このお話は、当時5歳(去年)のうちの子の、突然の質問がきっかけで生まれました。

ちょうど私は日本語教師として約3か月働いていたエジプトから帰国した直後で、

息子をベッドで寝かせているところでした。

「お母さんの友達に、人魚いるでなぁ?」

こう聞かれて、思わず「えっ?」と耳を疑いました。

脈略もなく、こう問われたんですから。

その言い方……何か確信があるってこと?

そして、息子は「見たで」とつづけました。

はるか

どこでやねーん

とまぁ、こんなやりとりから、この物語は生まれています。

(息子の発言の真相はまだ謎のまま)

 

さて、『人魚の夏』のあらすじですが……

小5になる春、知里は海で呼びとめられ、不思議な約束をする。クラスに自分の子が転校するので友だちになってほしい、という人魚と。その言葉通り、転校生として海野夏がやってきた。すぐに人気者になった夏だが、自己紹介で性別を明かしていなかった。しかし、掃除の時間に話しかけてきた夏は、知里に秘密を教える。自分は人魚だということを……。将来を決めるため陸に上がった人魚の子と、友だちの秘密を守り抜く少年の物語。

amazonより

とまぁ、こんな感じです。

エジプト帰国直後に書いたものですが、エジプトらしさはみじんもありません(笑)

でも、遠い異国で生活し、その多様性や「普通とは?」を見つめ直すことが多かったことから、

知らず知らずのうちに「偏見」や「攻撃性のある思い込みやこだわり」って、誰にでもあるもんだなと考えました。

人は、誰も傷付けないで生きていくのは無理だと思います。

けれど、たくさんの考え方や知識を増やし、視野を広げることで、少しでも受け入れられる器が持てたら

とても楽しいと思うんです。

そして、誰かのゆりかごのような存在になれると思うんです。

『人魚の夏』の舞台・和歌山市加太の思い出

さて、作中に地名は出てこないのですが、今作の舞台は私の故郷の和歌山市。

私が育ったのは和歌山市の別の街ですが、舞台は和歌山市の「加太」というところです。

海辺の街で、のどかなところ。

ここは、どうして思い入れがあるかと言うと、小4~中2までの5年間、ここにある「少年自然の家」の夏のキャンプに参加していたからです。

この施設はもう今はなく、ちがう名前のものになっています。

新しく建て替えられたとかも聞いたような。

当時の夏のキャンプは、市の広報誌なんかで募集されていて、夏休み……ちょうどお盆の頃に5泊6日でありました。

けっこう長いですよね。

ほとんどの初参加の人は、同じ小学校の友達と参加していました。

でも、私は友達がいなかったので自分の小学校からは一人だけでした。

それでも行こうと思ったのは、「変わりたいな」と思ったからです。

小3の時から、これとまたちがうキャンプのようなものを母は勧めてくれましたが、小3の私はかたくなに

「行っても楽しくない。行ってもしかたない」

と思っていたんですけどね。

どうしたことか小4の私は行くことを決めたのです。

拒否する私に根気強くすすめてくれた母には、ほんと感謝。

 

さて、キャンプの思い出ですが……

当たり前ですが、初年は初日からひとりぼっちでアフェー感半端ないし、友達ができても夜に泣いたこともありましたが、

いろいろありながらも仲良くできる子を見つけ、その後4年つづけて参加したのでした。

はるか

来年も参加しようね!と、最終日に約束するんです、毎年

そんなキャンプ(ずっとテントじゃないけど)の開催地が、加太だったのです。

「少年自然の家」は山の上にあり、早起きして眺めると、海は宝石箱のように輝いていました。

夜には流れ星がいくつも海に落ちていくのが見えました。

昼は友達と海辺を何度も歩いたのを、今でも昨日のことのように覚えています。

『人魚の夏』の夏みたいな存在にいつか君も出会うかも

今作の重要登場人物、人魚の転校生・夏は、私にとってもまだまだつかみどころがない存在です。

一言で言っちゃうと、「わからない」ってこと。

だから、どうでもいいのか?

だから、いやなのか?

だから、気にしないのか?

いいえ。

はるか

だから、知りたいと思うのです。

得体の知れないものは、怖かったりもします。

でも、少しでも「おお!」という発見や驚きがあったなら、その存在を無視するのはもったいないと思うのです。

知らないものを、人を知る時、私はまだまだ人生経験は浅いですが、たいてい「自分を知る」ことにつながっています。

それがまた、楽しいのよね。

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こぼれ話『人魚の夏』で出てくる友里子さんは『セカイヲカエル』にも出てきます

今作、謎めいた登場人物の一人に、お弁当屋さんの「友里子さん」が出てきます。

こちら、実は私の他の作品の『セカイヲカエル』にも出てくる人物なんです。

今回の作品で、友里子さんの謎についても少しは……わかる……のか?

この『人魚の夏』を読んで、友里子さんを気に入ってくださった方がいらっしゃいましたら、

ぜひ『セカイヲカエル』も読んでいただければと思います。

はるか

小6の男の子二人が主人公の物語で、私の作品の中では一番男の子から感想をいただきます。

20年前の世界にタイムスリップする「SF」とも言える話ですが、その要素は少な目(笑)

少年達の1年を見守っていただければ嬉しいです。

 

さて、今作『人魚の夏』!!

挿画は、メルヘンな雰囲気がとってもかわいく、またオシャレなまめふくさん。

作品を本にするまで、私の細かい設定や注文を、根気強く聞いてくださいました。

自分の本はどれもお気に入りですが、また一冊、抱きしめたくなるようなカバーの本が誕生したこと、

とっても嬉しく思います。

まめふくさん、ありがとうございました!!

また、今回も最後まで本づくりのリーダーとして引っ張ってってくださった、あかね書房の編集者Eさん、

大変お世話になり、ありがとうございました。

新作に関わってくださった全ての方々に、感謝申し上げます。

 

何が言いたい作品か。

それは、作者の手を離れた今、読んでくださるみなさまが見つけてくださると幸いです。

ご感想など、いつでもお待ちしております。

楽しんでいただけますように!!

 

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