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作家になりたい!小説は「新人賞」か「持ち込み」か?「拾い上げ」を待つより賞に応募したいところ

こんにちは。

先日Twitterで話題になっていたことの私なりの意見を少し書いてみたいと思います。

出どころの話はとりあえずおいといて……

  • 小説の「新人賞」は、読んでくれてない?or適当にしか読まれてない?
  • 賞を取るのが非常に困難な新人賞より、人脈やらを駆使して「持ち込み」する方が作家への近道になる?

みたいなことをよく目にしたので、これらについて、あくまでも児童文学作家の端くれとして残しておこうと思います。

今、「児童文学かー……じゃあ自分とは関係ない」とか思ったそこのあなたにこそ、一度は目を通してほしいです。

確かに他ジャンルかもしれませんが、有名な児童文学作家は一般小説を出している人も多いのです。

同じ「文章」を書く職業として、むやみに区別すると恥ずかしい思いをします。

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小説の新人賞を取れる人は宝くじぐらいのもの?

宝くじよりは、当選率は高い気がします。

ライトノベルの新人賞の応募作品数なんかだと、3000とかになることもあるそうですが、それでも宝くじよりは低くないですか。

でもさ、

  • 新人賞応募は宝くじの「くじ」を買うようには気軽に「応募する原稿」を書けない(まず時間がかかる)
  • 前回まで受賞の手前までいったような強者がゴロゴロ再度応募している
  • 思いようによっては、「ちゃんと小説になっている」作品は応募作品数よりは随分と少ない可能性がある

ということです。

ちょっとでも「賞とれたらいいな」と思うなら、挑戦してみる価値はあります。

はるか

ただ!!ここで言いたいことがあります!!

一応プロとして活動している私からの参考になるかもしれないアドバイスとしては、

賞に応募する動機ははっきりとさせることをおススメします。

つまり!

  • ただ「賞」をとって喜びたい、賞金が欲しい
  • 「賞」を踏み台にして「作家」になりたい

大きく分けて、この2つのパターンがあると思います。

もちろん、「どっちも」って方も多いでしょう。

でもじゃあ、賞金がかなり少なかったりしたら、どうしますか?

もちろん、賞金が高い賞は一般的にも注目されやすいのでその後にも響いてくるかなとは思いますが……

私が言いたいのは、

はるか

受賞後、作家として「やっていきたい」か、「できればやっていきたいか」、「受賞だけでじゅうぶん」なのか

応募前にしっかり考える必要があるということです。

なんにしろ、作品にこの決意が影響するかどうかは私にはわかりかねますが、

少なくとも「応募する新人賞を選ぶ」際には重要になってきます。

ちなみに、やっぱり最終選考に残るような方々は、「作家になりたい!」と強い決意と覚悟がある方の方が多いように思います。

どこに応募するかは、とりあえずそのレーベルの作品を5~10冊読めば、そこそこ把握できるかと。

そして、自分の作品がどこに合うか見極める「客観力」があれば、適した応募先が見つかると思います。

作家としてやっていきたいなら、やはり大きな出版社がかかえる賞がおすすめです。

理由はかんたん。

受賞後、2作目を書いた時に読んでもらいやすい&「読みますよ」と言ってもらいやすい、からです。

小説の新人賞をあきらめて「持ち込み」に力を入れた方がいい?

さて、これがTwitterで話題になっていた件ですが……

たしかに、Twitterなんかだと大手出版社の関係者もたくさんお見かけします。

仲良くなって作品を読んでもらう……ということも0ではないと思います。

新人賞が難しいから「持ち込みで」という気持ちもわからなくもありません。

でも、やっぱりそれは「新人賞でいいとこまでいってるけど、受賞には至らない」レベルの話なんじゃないかな、とは思います。

そして、たとえ持ち込めたとしても、ボツになる可能性は大いにあります。

そんな時、ほんとにデビューしたい方なら

  • 編集者さんの手厳しい意見も受け入れる
  • ボツになってもすぐに新作に取りかかる

ことができます。

プロとして一応活動している私でも、持ち込んだ作品がボツになることはざらにあり、

こう考えるわけです。

はるか

ちょっと直していい作品になるくらいのものなら、ボツにはならない

ということ。

編集者さんだって暇じゃない。

かける時間や労力を考えて、それでも「出したい」と思わせる魅力が、その作品にあるか?ってところでしょう。

なので、ボツになったものをその場でごねてもしかたありません。

決して作品がダメというわけではなく、(プロにおいては)他社さんに持って行ったらすんなり通るということもあるんですけどね。

パスラさん

↑でも、これは新人賞応募作品でするのはおすすめしません。

作家としてやっていきたいなら、他の作品も書けなきゃやってけないので、それも訓練と思って新作を書きましょう。

小説の新人賞で最終選考に残るぐらいでないと作家としては生き残れない

「児童文芸新人賞」というかっこいい名前の賞をいただいてからわかったことですが……

新人賞というか、デビューすることは、「運転免許証をもらってやっと公道に出た」ぐらいのものです。

天才と秀才を兼ねたような先輩方が、交差点付近でにこやかに手をふってくれたりします。

新人賞をとれたからといって「小説が上手になった」わけではなく、一作一作が勝負なんですよね。

プロとしてデビューし、これまで付き合いのなかったある大手出版社さんに持ち込んだ時、

編集者さんからこう言っていただきました。

「新人賞に並ぶ、あるいはそれ以上のものでないと難しい」

……つまり、持ち込んだ私の作品はボツということです(笑)

いくらもうデビューしていても、プロフィールをパッケージに本を売ることなんてありません。

作品の中身が大事。

はるか

ほんまそうやんね

と、ボツになったことは悲しかったですが、悲しくなる自分が恥ずかしかったです。

思えば、完成させることに力をおきすぎた作品だったな、と。

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「手っ取り早く作家になる」「作家への近道」なんてない・むしろ大回りしたからこそ身につくものも

作家には、いろんな道を通ってこられた方がいます。

  • 初めての作品で新人賞受賞!
  • 小説というものを書き始めて数年で受賞!
  • 10数年がんばって書いては挑戦し、受賞してデビュー!

などなど。

作家に至るまでの年月は人それぞれ。

じゃあ、短い方がいいか?

そりゃ、なる前は「少しでも早く」と思うものですが、今となっては

「なろう」などからの「拾い上げ」で作家になれるのは才能と運を持ち合わせた強者(強作品)だけ

文庫作家さんには、小説サイト「小説家になろう」なんかで編集者さんの目に留まり、その後デビューされている方もいらっしゃいます。

ランキングで上位じゃないと無理なんじゃないの?

と思うのが普通でしょうし、もちろんランキングの上の方の方もお声はかかっているかもしれませんが、

そうでない作品にも、「お声がかかる時はかかる」ようです。

私が見ていて、声がかかるのは、

  • タイトルがおもしろい(惹かれる)、王道っぽいのにオリジナリティあり
  • あらすじがわかりやすい
  • 文章が上手

という感じです。

結局は、才能と運がないと厳しい世界……

でも!誰かの目に留まる可能性があるんですから、「なろう」などの小説サイトにアップする際も気を抜かないでおきましょう。

はるか

それから、落選した作品をネットにアップしている方、多いですが、私はあんまりおすすめしません。

デビュー後、大幅改稿なんかをして出版できる可能性があるので……。

そうするつもりがないなら、いいと思いますが。

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「新人賞」に応募する時は周りの誰かに読んでもらって「最低限読める」ものを出そう

一番最初にお話しましたが、大手新人賞だと、応募作品の全てが「小説として読める」ものではないとどこかから聞きました。

つまり、「おもしろい・おもしろくない」以前の問題で、

  • 文章の主語と述語が一致していない
  • 起承転結の「起」と「結」しかない
  • ただの自分の自慢を並べている
  • 何が言いたいかわかんない

などなど、いろいろあるみたいです。

自分の小説を周りの人に見せるのは勇気のいることかもしれませんが、

いつかデビューして出版されればもっと多くの方に読まれるわけですから、

何人かに見せて意見をもらうのがいいと思います。

はるか

少なくとも、誤字脱字とか、教えてもらえます(笑)

おそらく、見せるとしたら自分に好意的な方を選ぶ気がするので、その方はあまり厳しいことは言わないでしょう。

そんな相手が「これはちょっと……ここはちょっと……」というところは、とりあえず推敲あるのみです。

おそらくそこは、新人賞の下読みさんもひっかかるところになる可能性大です。

きちんと読んでもらいたいなら、感想って言うのはかんたんではないので、チェックリストも作成して渡すのもありかもです。

5段階評価で、

  • 文章の美しさ、きれいさ、おもしろさ
  • 物語の展開について(きちんと動いているか)
  • 主人公のキャラがたっているか
  • 脇役がいなくてもいいキャラになっていないか
  • どこかで聞いた、見た話ではないか
  • 言いたいことがわかるか、ダイレクトすぎないか

こんな感じかなぁ……。

いくら友達でも、全ての項目に5をつけることは……ない気がします。

いえ、全部5の小説を目指したいところですけどね。

やっぱり小説を「持ち込み」したいなら有名な同人に入会するのも手・周りのレベルと多少の人脈が得られるかも

ここまで読んでも、「やっぱり新人賞は無理!持ち込めるなら持ち込みたい!」方!!

まず必要なのは、出版関係者との人脈獲得と業界の情報収集です!

つまり……

  • 自分が入ろうとする世界のレベルはどんなものか肌で感じると先々を考慮しやすい
  • そもそもツテがないと持ち込めない

ということ。

なので、どの小説のジャンルにも、「○○協会」みたいなのがあると思うので、そのサイトにまずはアクセスし、

そこがやってる「同人」に入会してみてはどうでしょうか。

大きな同人グループだと、編集者さんが頻繁に出入りしていたり、

仲間で作った同人誌を出版社に送る手段があったりします。

こういった創作集団に所属する皆様は、「合評」といって作品を読み合って意見を言う会をコンスタントにつづけており、

つまり「日々レベル上げに勤しんでらっしゃる方」の集まりです。

同人には、プロもいることがあるので、もしかして意見をもらえるかもですし、

何よりデビューしてから自分が身を置く環境を垣間見ることができます。

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作家になっても「持ち込み」はします・書いたもの全てが本になるなんてことはない

作家になったら「うちでも書いてください!」的にいろんな出版社さんからお声がかかる……

なんてことは、まれです。

一作で数々の賞を総なめにし、なおかつ運も人脈もある方や天才は別ですが。

基本的に作家はフリーランス。

自分で営業し、自分で仕事を管理し、自分で確定申告もします。

なので、待っていても仕事がばんばんくるってことはありません。

もし作家として食べていきたいなら、持ち込みや企画をして売り込んでいかなければなりません。

そして、作品の持ち込みも企画も、

はるか

プロの作家だからって全て通るなんてことはありません!

そう、プロでも持ち込みは厳しいのよ。

書いた作品が全部本になるなんてのは、なかなかありません。

トライ&エラー&しょんぼり&アイス食べてまた執筆!

の繰り返しです。

持ち込み先は、イベントや懇親会でお会いして、名刺を交換させてもらった出版社の方々です。

たいがいメールでするんですが、それでもパソコンの前でガチガチに緊張しながら送ります(笑)

 

さて、ここまで長々と書いてきましたが、私が言いたいことはたった一つ……

プロでもそうでなくても、やることは変わらない!!

はるか

そう、おもしろい作品を書くこと。

それだけ。

がんばるぞー!!!

最後に拙作を……

 

 

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