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実写にもなった『ダンボ』の世界名作DVDを親になって初めて見た話

ダンボDVD

こんにちは。児童文学作家の嘉成晴香(かなりはるか)です。

ディズニーアニメ作品の『ダンボ』はご存知でしょうか。

2019年、実写化もされましたね。

まさかされると思っていなかったので、びっくりしました!

さて、今日は、「ダンボの実写映画」でなく、1941年に制作されたアニメーションの方の『ダンボ』を久々に見たので、それについて書きたいなと思います。

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コーナンのレジの前を歩いていたら『世界名作DVD ダンボ』を発見!

コーナンなどのレジの前あたりにある、安くDVDやCDを売っているコーナー、あるじゃないですか。

『ダンボ』はそこで見つけました。

実は、去年子ども(当時3歳)とディズニーランドへ行って、「ダンボ」に乗ったんです。

坊はゾウさんが大好きなので待ち時間が1時間にもかかわらず楽しんでいましたが、よく考えたら『ダンボ』見せたことないな、と。

『アナと雪の女王』とか『ミッキーマウス』とか『トイストーリー』とかは見たことがあったんですが、乗った乗り物全ての作品を見てはいませんでした。

はるか

冬の平日ということもあり、ディズニーランドは比較的すいており、いくつもの乗り物に乗ることができ、坊は大満足。

お出かけの最後、

「楽しかった?」

と聞いても、どこへ行っていたとしても

「楽しくなかった。もっと遊びたかった」

という坊ですが、この日生まれて初めてこう言ったのです。

「楽しかった!」

朝から晩まで遊び通して、途中長時間だっこもして、こっちはフラフラでしたが、楽しめたなら何より。

何が一番よかったか聞いたところ、それが「空飛ぶゾウさん」。

そう、「ダンボ」だったのです。

というわけで、『ダンボ』を見せたいと思っていました。

そんな矢先、99円でDVDが売っていたわけですから、買わない手はありません。

(ちなみに、『ピーターパン』と『ピノキオ』も買いました!)

私が初めて『ダンボ』を見たのは幼稚園の時

さて、私が初めて『ダンボ』を見たのは、物心がついた頃。

幼稚園の年少組の時からもう見ていたように思います。

その頃はDVDなんてものはなく、ビデオテープ

おそらくテレビでやっていたものを母か父が録画してくれたもので、ビデオテープの背表紙にはカタカナで「ダンボ」と書かれていました。

上からまた何かを録画した時に書き直せるように、えんぴつでね。

はるか

私のお気に入りで、そんなことにはなりませんでしたけど。

 

初めて見た時の感想は、残念ながら記憶に残っていませんが、繰り返し見たということだけは覚えています。

ただ流れるシーンを見つめ、ことのなりゆきを見守っている感じでした。

小さい子どもですから、冒頭に出てくる「コウノトリが赤ちゃんを運んでくる」ってのも、「どうして耳が大きいだけで母の友人に馬鹿にされたりいじめられたりするのか」も「ピエロという職業について」も「お酒の効能」についてもわかっていませんでした。

ただ、画面が暗くなったり、お母さんゾウのジャンボさんがあばれているのを「ほほー」と眺めていた記憶があります。

一番記憶に残っているのは、小さい小屋にとらえられたお母さんゾウに、ダンボが会いに行くシーン。

鎖につながれて顔を出せないジャンボさんは、長い鼻を出して、そこにダンボを乗せてブランコのようにゆらします。

それが、悲しくも愛おしく、胸がジンとしました。

と同時に、あのブランコいいなぁ。やってみたい!とかも思っていました(笑)

 

親になって初めて見る『ダンボ』の衝撃

先日、「親になって初めて」『ダンボ』を見たわけですが、もう、ほんとに人生初めて見るぐらいの衝撃でした。

まず、ストーリーがうろおぼえになっていたことがわかりました。

はるか

よく考えたら、25年ぶりとかかもしれない。見るの。

あぁ、こういうわけだったのかと、なんだかスッキリ。

今は一つのシーンを見ても何を表しているのかがわかります。

どうしてそうなったのかもわかるからです。

そして、気付きました。

親になってから見ると、子どもの時に注目していなかったシーンが気になるんです。

ダンボももちろんかわいくて、健気で、ダンボ目線にも立てるんですが、どうしても母親の「ジャンボ」目線になってしまう。

するとね、もうね、涙なしには見られない。

ダンボがコウノトリによってジャンボさんのところに来て数秒後から、私、泣きどおし(笑)

幼稚園の頃は、どうして最初ジャンボが怒りだしたかわからなかったんです。

どのゾウよりもおとなしげなジャンボさんが。

同僚?友人?のゾウから「ジャンボさん、あれはやりすぎよ」と言われるまでに暴れた理由が。

でも、人とは(他のゾウとは)ちがっても大切な我が子がいじめられたからだったんですよね。

子どもの頃は、ジャンボが暴れるのをただ「どうしたんだろう」と見ていましたが、今見ると……

その暴れる姿の、悲しいことったらありません。

もう、目がね、見てるだけで苦しくなる。

サーカスの団員達にロープなどでしばりつけられ、ダンボと引き離された時の表情。

もう、

はるか

ディズニー、すげぇ……

と思いました。

ここまで心にせまるものを作れるなんて。

このテンポで、このタイミングで、この表情か……とか、一応創作者なので思ってみたり。

いやぁ、びっくりしました。

子どもの頃の私は気付かなかったことに気付けて、嬉しくもありました。

けどね、子どもの時に見た『ダンボ』は、今見るよりずっと迫力があって、ダイナミックで、(同じこと言ってるか?)とにかくもっともっと世界一杯でした。

子どもの時は今より視野がせまく、それいっぱいというか。

近くに感じたというか。

そう、リアルだったの。

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『ダンボ』から見る「親」

子どもができる前、まだお腹にもいなかった頃、勤務先の日本語学校の仲良くしていた先生が言いました。

「子どもをいじめている子、みんな返り討ちにしてやりたいと思った」

こんな言い方じゃなかったかもしれませんが。

帰り道、仕事の話だけでなく、いろんな話をしている時です。

彼女は小学生の子どもさんがいて、いつも朗らかでやさしくて、「憎悪」なんて似合わない人でした。

でも、その彼女がそう言ったので私はビックリしてしまい、

はるか

そこまで思うものなのか……

とか思ったものです。

なんせ、まだ子どもがいなくて、私には弟妹もいないものですから、「憎む」までいくという感情を想像できなかったのです。

けれど、今ならなんとなくわかります。

まだ4歳なので、何かあるとしたらこれからなんでしょうけれど、想像がつくところまでは考えが及ぶようになりました。

今、人間の子にいじめられたダンボ、それをいじめられているとも思わず笑っているダンボを思う母親の気持ちはどうだったか。

きっと、あばれて後から1番びっくりしたのは、同僚のゾウではなく、母親のジャンボだったんじゃないかと。

ただ、愛する我が子を虐げるやつを許せないとか、そういった単純な想いじゃないはず。

母親の気持ちは、そんな簡単じゃない。

最初は守るため。でも、その後はただ子どもを守るためだけじゃなかったはず。

もう、いっぱいいっぱいで、苦しかったはず。

ダンボも、耳が大きいことでひとりぼっちだったけれど、ジャンボもまた、ひとりぼっちだったんじゃないかと。

どうしてだれも、ジャンボにも寄り添ってくれなかったんだ。

それが、私は悔しくてたまらない。

 

実写の『ダンボ』では、ここんところどう描いてるんだろう。

全然違う視点からつくられてるのかな。

 

それにしても、ダンボ、かわいいなぁ。

表情の微妙な動き、もうほんと愛らしい。

 

これはパズル。

うちの坊(4)がはまっているので買おうか考え中。

 

これからダンボはどう育っていくんだろう。

大人になったら飛べなくなったりしないのかな?

そうなったら、どうなってしまうんだろう。

などと、考えなくてもよさそうなことばかり考えてしまう自分に笑ってしまう(笑)

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