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小説の書き方がようやく固まってきた話・デビュー10周年でやっと説明できるように

こんにちは、児童文学作家の嘉成晴香です。

来年で商業作家としてデビューして10年になります。

これまで、幾度となく「どうやって小説書いてるの?」とか聞かれつづけましたが、

うまく答えることができませんでした。

それなりには話すんですが、このブログでもなんとなくは説明してるんですが、

はるか

実は自分では納得できてなくて……

ということで、やっと小説の書き方を「言語化」できるところまで固まってきたので、

書いてみようと思います。

またいづれ変わるかもしれませんが、とりあえず、ってことで。

小説を書くということで、児童文学でも一般小説でも、参考になるとは思うので、

「それもありだな」と感じたなら、ぜひぜひまねしてやってみてくださいな。

プロットが書けない私の小説の書き方!書く前にイメージをしっかり作ることが大事

何でも「準備8割とか「9割」とか言いますが、ほんまそうやな、と思います。

何も考えずに書き始めるのも、小説を書く上で、「書く体力をつける」という意味では訓練になるとは思いますが、

やっぱり「ちゃんとした形」にしたいなら、書く前が一番大事かな。

この「準備」をしないで形にできる方は、天性のものを持ってらっしゃるということでしょう。

さて、何を準備するかというと、とりあえず「プロット」です。

プロットとは、小説の設計図。「骨組み」と言われることもありますね。

でもこれ、けっこう大変なんですよね。

私も、ほとんどきちんとは書けません。

ヒマワリ小説執筆においてプロットを立てるといいこと5つ(私の場合)

でも、書けなくてもいいかな、とも思います。

要は、最後に思うような小説が書けていればいいわけですから。

なので、きっちりした「プロット」までいかなくても、ノートやスマホのメモアプリなんかに、

ざーっとメモしておいたり、

寝る前やお風呂入りながら、これから書く小説のことをふんわりと、でもじっくりと考える時間が必要です。

これをしておくとしておかないとでは、出来がちがう気がします。

これをしておくと、後々いいアイデアが出やすくなる気がするんです。

私はこの期間を、「物語の世界創造期」と呼んでます。(めっちゃ大げさ)

キャラクター達が立つ世界の地盤を固めることで、その物語のもつ空気感というか、雰囲気ができあがっていきます。

これが、作者としての「持ち味」になったり、「オリジナリティ」につながっていきます。

プロットが書けない私の小説の書き方!決めるべきことはテーマと最終地点

さて、小説の「イメージ」を固めたら、次にすべきことは……

  • テーマ
  • 物語の最終地点(結果、どうなるか。主人公はどう変化するか)

を決めるのが大事かな、と思います。

これが難しいなら、冒頭の20ページくらいを書いてから考えてもいいと思います。

ちなみに私は、だいたいそうです(笑)

はるか

結局何も考えないで書き始めてるやーん

なにせ、ちゃんとしたプロットがないものですから、こうなります。

でも、最初の道がわかると、最後の到達点が少しは見えてくるんです。

これは、書き始める前だと全く見えないものです、私は。

「テーマ」って言ってもねぇ……という方もいらっしゃるかもですが、難しく考えなくてもいいです。

「愛」とか「再開」とか「始動」とか、一言で表せるものでもいいんじゃないでしょうか。

ここで大切なのは、ちゃんと「言語化」しておくことです。

こうすると、自分の頭にこびりつくので、テーマからずれることが少なくなります。

テーマがたくさんありすぎると、私がいつも編集者さんからアドバイスいただくように、

「詰め込みすぎ」という小説になります。

そうなると、なかなか世に出す本にはなりません……

ということで、一つ、あるいは二つ程度のテーマにしぼって書く方が、いいかと。

読者のみなさんは、作者もびっくりするくらい深く読んでくださる方もいらっしゃいますが、

ほとんどの方は作者の伝えたいことを全て把握してくださることはありません。

なので、それなりにわかりやすいテーマを押し出しておくと、すっと頭に入ってくる文章が書きやすくなります。

「物語の最終地点」というのは、かんたんに言っちゃうと最後のシーンです。

どうやって終わるか、ですね。

児童文学においては、

  • 主人公が成長(変化)しているか
  • 最後に少しでも希望があるか

が、けっこう重要です。

一般小説でも、人の心を動かすものを書きたいなら、それなりの「変化」や「躍動」が必要かと。

意外とこれ、小説を書き始めたばかりの方は難しいんです。

なので、書き始める前に「最後、こう変わる!」と明確に頭に入れておいた方が、楽です。

「起承転結、考えて書くんやから当たり前でしょ」と思われるかもしれませんが、

書いていたら、「転」すべきところでサラッと結に行っちゃったりして、盛り上がりに欠けるものになることも少なくありません。

道筋は考えなくても、登る山はしっかりロックオンしておきましょう。

プロットが書けない私の小説の書き方!具体的な書き方はぬいぐるみ方式より粘土遊び

さて、お次は「実際の小説の書き方!」です。

どんな風に私が書いているかと言いますと、まずはイメージでお伝えします。

小説の書き方には正解はなく、作家さんの数だけあるでしょう。

私はどうかと言うと、ぬいぐるみ方式より、「粘土遊び」に近いです。

私が思うぬいぐるみ方式は、

  • 生地を選んで
  • 型紙を作って
  • 生地を型紙通りに切って
  • 縫い合わせて
  • 縫い終わる間際に綿をギューギューつめて
  • 最後に縫い合わせて
  • 目や口、ヒゲなんかを付けて整える

というもの。

つまり、作品の目立つ部分から書いていく感じ。

読者さんに触れてもらって感じてもらう「綿(物語のテーマや核心)」は、最後の方、という感じ。

ライトノベルは、こんな感じの書き方、むいてるんじゃないかな?とか思います。

そして私がやってる粘土遊び方式というのは、

  • 針金で小説全体の骨組みを付ける
  • その周りに、粘土を付ける
  • ひたすら付ける
  • 付ける
  • 全体を整える
  • 目や口なんかを付ける

という感じ。

「ぬいぐるみ方式」は組み立てるって感じですが、こちらはひたすら「付ける」、のみ。

ま、そぐのも簡単ですが。

あみぐるみも作ってます:

馬のあみぐるみ馬のぬいぐるみを「編みくるむ」ことに挑戦!かぎ針ができてよかった件

さて、粘土遊び方式ですが、具体的な小説の書き方としては、

  1. お風呂や散歩しながら思いついた冒頭部分を20ページほど書く(小説全体の1/10くらい。1章分?)
  2. 1章を、まずは「完璧!」と思うくらい、文章の精度が上がるよう推敲(この時、まだテーマなんてほとんどない。なんならキャラの名前も決まってない)
  3. 1章を何度も何度も読み返す(本は、冒頭で読者を離さないことが大事なので、ほんと重要な部分)
  4. 読んでるうちに、テーマが浮かび上がる。キャラの名前や最終地点もぼんやり決まる
  5. 2章(全体の2/10くらい)をザっと書く。骨組み程度でもOK。なんならセリフだけでもOK。
  6. 3章をザっと書く。(やっとテーマが確定)
  7. 2章の精度を上げる。(描写やキャラの心理を細かく書く。季節はいつか、場所はどこかも明確に)
  8. 3章を肉付けしながら、4章をザっと書く。
  9. 4章を肉付けしながら、5章をザっと書く。
  10. このあたりで、1章から肉付けし直す。何度も読み返す。全体のテンションは均一かどうかもチェック。
  11. テーマにずれがないか、最終地点を再考。
  12. 6章以降も、8~9のように書いては戻り、を繰り返す
  13. 最後まで書いたら、6章に戻り、整える
  14. 1週間は小説を寝かす
  15. 推敲(同じ言葉ばかり使ってないか、なども見直す)

こんな感じです。

どうでしょうか。

大切なのは、「最初から完璧に書かなくていい、むしろ書かない」ということ。

後から、いくらでも新しい粘土をくっつけていったらいいんです。

この粘土遊び方式の最大のメリットは……

伏線をはりやすい、ということ。

伏線ってのは、文字通り一番大事な部分ではないわけですが、最初から完璧に書いていたら、

推敲する時に加えにくい気がします。(ま、そこをなんとかするのがプロですが)

なので、余地を残して書き進めるのもありかと。

粘土遊び方式のように、都度「肉付け」をする書き方だと、主人公たちの気持ちを考える機会がたくさん持て、

行間で思いを伝えやすくなるかな、と思ってます。

ちなみにぬいぐるみ方式だと、思いついたシーンから書いていき、最後に構成を考える感じでしょうか。

それも、いい書き方ですよね。インパクトを出すのによさそう。

それから、私の手っ取り早い推敲方法は、ずばり「全部音読」です!

はるか

めっちゃ疲れますが、10回くらいすれば、客観的に見られていい感じかと

小説の書き方、どうでしょうか。

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